コーシャー(ユダヤ人の食事)

多分、殆どの日本人はコーシャーと聞いても何の事か分からないと思いますが、ユダヤ教の食事や生活に関する戒律の事です。私の夫は、ユダヤ人の父親に育てられたため(ユダヤ教の戒律では、母親がユダヤ人でないと子どもは生来のユダヤ人として認められないので、母親がユダヤ人ではない夫は厳密にはユダヤ人ではないのですが)ユダヤ人としてのアイデンティティーを持っています。

かといって、毎週土曜日に礼拝に行くわけでもなく、厳しい食事の戒律を守っているわけでもなく、殆ど宗教とは関係ない日常生活を過ごしています。ただ、ユダヤ教で食べる事が禁止されている貝類、甲殻類、豚肉は殆ど食べませんが、それはどうも本人があまりその手の食材を好まないという事の方が理由としては大きいようです。

基本的にコーシャーは、果物や野菜など、人の手で二次的加工がされていない食べ物は、特別な物を選ぶ必用はないのですが、牛乳やボトルに入った水、蜂蜜、ジュースなど、パッケージされたものや、スナック菓子、ドライフルーツ、アイスクリーム、チーズ、調理された食品等は、コーシャーとしての認定マークの付いているものを選びます。肉類は、屠殺の仕方がコーシャーに則っていないといけないし、グラット・コーシャーとそうでないコーシャーの違いもあるようなので、それを普通のスーパーで見つけるのは少々困難です。

アメリカで一般に出回っている食品の多くには、コーシャーの認定マークが付いています。私はコーシャーにこだわって買物をしていませんが、ざっと家にある食品を調べてみると、かなりの数のコーシャー認定マークが付いたものが見つかりました。

厳しく戒律を守るユダヤ人は、台所も食器もコーシャーにしています。どういう事かと言うと、コーシャーでない食品をキッチンに持ちこまず、肉類用の食器や鍋類と乳製品用の食器や鍋類を分け、流しも肉用と乳製品用に分けてあります。コーシャーでは、肉と乳製品を一緒に食べてはいけないという決りがあるので、それを完璧に守る為です。

もう一つ特徴的なのは、金曜の日没から土曜の日没まではシャバト(サバス、もしくは安息日)なので、労働をしてはいけない事になっています。仕事は勿論の事、コンピューターの操作、電化製品の操作、車の運転、電灯を点けたり消したりする事、電話で話す事、そして料理も全て労働をみなされるので、金曜の夕食は日没前に調理を全て終えていなければなりません。ただ、それを守っているのは戒律の厳しいオーソドックスの人々のみです。

同じユダヤ人でも、ニューヨーク市長のブルームバーグやウッディ・アレン、デミ・ムーア等はリフォーム(戒律の緩いグループ)なので、金曜の午後も普通に5時まで仕事をしているだろうし、厳密にコーシャーを守ってはいないと思います。ところが、ニューヨークにある B&H というかなり大きな写真に関する道具を売っている店などは、オーソドックスの人々がやっているビジネスなので、金曜は2時ぐらいで店を閉めてしまいます。

実は、夫の甥と姪がリフォームからオーソドックスに改宗したので、私もなんとなくこういう事を知るようになりました。例えば、家を尋ねる時にも、コーシャーのマークがしっかりと付いたものでないと、持って行っても親戚の人々は食べられないのです。

今年のパスオーバー(過ぎ越しの祭り)はそのお宅に呼ばれました。キリスト教徒の人は知っていると思いますが、パスオーバーは、古代エジプトで奴隷だったユダヤ人がモーゼに導かれて自由の身になった事を記念する、ユダヤ教の中で一番重要な祭日です。キリストはパスオーバーの直後に処刑され、3日後に復活したという事になっているので、キリスト教のイースター(復活祭)も同時期です。

普段は全く宗教と関係ない日常生活を送っているユダヤ人も、パスオーバーは必ず祝います。慣習として、礼拝に行くのではなく、各家庭でモーゼがエジプトで行ったように記念の晩餐、セーダーというのを行うので、沢山の宗教的儀式の入ったとても長い夕食になります。

パスオーバーの説明も含めた内容は、後日ブログに書きます。

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